2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

夢でもよく私は街をさまよう(2)

たとえば新宿駅の地下街の奥の奥あたりでしょうか、びっしりとほとんど境目もなく連なった居酒屋のどれかで、あるいは無数の座敷をもつ巨大なひとつの居酒屋のどこかで、何かのパーティーの二次会を私の仲間たちがやっているはずなのですが、いくらさがして…

夢でもよく私は街をさまよう(1)

2005年に河出書房新社から刊行した私の長篇詩作品『街の衣のいちまい下の虹は蛇だ』は、そのほぼ12年前に思潮社から出した詩集『反復彷徨』以来の大がかりな都市詩篇です。『反復彷徨』は渋谷の谷から丘へ、丘から谷へ、いくつかの未知の痕跡を辿る詩…