2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ポエジー夜話特別版(続々々)

即興的にせよ、こんなときにどんどん詩が書けてしまうというのは異常でしょうか。でも、書きます。書くほかありません。 谷底のアポカリプス 私は歩きまわり 仕事をしなければならない 災厄がこの地を覆い ウランがめざめているのだから おののきの夜の風 無…

ポエジー夜話特別版(続々)

廃墟について くり返し 廃墟はあらわれる 私たちの悲しみ 私たちの怒り くり返し 廃墟はあらわれる 私たちの恐れ 私たちのおののき くり返し 私たちは廃墟に立つ 無音の叫びをきき 光年の雫を浴び くり返し 私たちは廃墟に立つ 記憶の森 年代記の谷 くり返し…

ポエジー夜話特別版(続)

大震災に接して茫然としたまま、ふたたび即興的に詩を書きました。 母の手 まるで空襲のあとのような 津波で破壊された町を ひとりの 美しく年老いた女性がさまよっていた テレビの取材クルーが近づくと 息子を捜しているという 息子さんのお名前は? 災害伝…

ポエジー夜話特別版

地震発生の3月11日午後2時46分以降、ショックと心痛で仕事に手が着かなくなりました。きょう14日、これではいけないと思い、パソコンに向かいました。私は詩を書くしか能がないので、詩を書きます。 2011年3月11日 私は泣いている 町が消えた 人が消えた う…

2010年の詩集から(3)

旧「洗濯船」同人たちによる詩集刊行の同時多発ぶりを書いていますが、きわめつけは城戸朱理。『世界─海』(思潮社)と『幻の母』(思潮社)と、ひとりで二冊の詩集を同時刊行してしまったのですから。城戸さんはかつて、「洗濯船」の主導的役割を果たし、な…