ポエジー夜話特別版

地震発生の3月11日午後2時46分以降、ショックと心痛で仕事に手が着かなくなりました。きょう14日、これではいけないと思い、パソコンに向かいました。私は詩を書くしか能がないので、詩を書きます。




2011年3月11日


私は泣いている
町が消えた
人が消えた
うみやまのあいだに糧をもとめ
住まいを定めてきた私たち
その生のかたちが根こそぎ津波に奪われてしまった


私は泣いている
町が消えた
人が消えた
津波の到来を伝えるサイレンは
むしろ私たちのうみやまのあいだが発する
絶望の叫びのように聞こえた


私は泣いている
いやちがう
私のなかでもサイレンは鳴り響き
涙を蒸留して得られた小さな救援隊が
うみやまのあいだへ
いま出発する