いにしえのAV女優たちのバラード

温暖化のせいか、雪が降らなくなりましたねえ。それから、タレントの飯島愛さんが亡くなりました。えっ、何それ? 関係ないじゃん。そう、遠いこのふたつの事象をどうやって関係づけるか、それがまあポエジーなわけで。
昔は私の生まれ育った東京近郊でも大雪が降り、日陰では何日も雪の轍が残ったものです。されど去年(こぞ)の雪、いまいずこ。もちろんこれは、フランス中世の泥棒詩人フランソワ・ヴィヨンの詩「いにしえの貴婦人たちのバラード」の有名なリフレインです。去年の雪とは、昔はあれほど妖艶をきそい、男たちを虜にしたのに、ことごとくこの世から消え去ってしまった美女たちのはかなさをたとえたもの。飯島愛さんはタレントになる前、AV女優をしていました。私もその流出裏ビデオを所蔵しています。何を言っているのか私は。いや、私もヴィヨンにならって、「いにしえのAV女優たちのバラード」をつくってみようというわけなのです。

言ってくれ、いまどこにいる、
逢坂あきら、白磁のようなその腰のくびれ、
自殺説が濃厚だけれど、
里中まりあ、ラブホテルでその筋の人に、
拳銃で顔面を撃たれてしまったね、
イクときの表情がさながら一輪の蘭だったのに、
桃井望、内股に紫の蜥蜴のタトゥー、
あわれ男とともに車内で焼死して、
Minxというユニットを組んで活躍していた矢先だった、
されど去年の雪、いまいずこ、

どこにいる、倉沢七海、
自宅マンションから飛び降り自殺した動機は、
同棲相手との結婚話が破談になったからだというが、
真相はどうなのか、麻生美由樹
寝た男性タレントは50人以上と告白して、
それが売名行為だとネットで非難されたね、
それで精神的に追い込まれ、硫化水素をたきこめたのか、
愛の不毛や貧困のなか、みんなけなげに、
けなげに演技するエロスの涙のきらめきだった、
されど去年の雪、いまいずこ、