エロスの詩のアンソロジーを夢見て(その2)
(現代詩篇)
10安西均「朝、電話が鳴る」
最後のエロティックな2行が秀逸。
11安東次男「女たちへの讃歌」
女陰をうたった詩なら、まずこれでしょう。
12吉岡実「マダム・レインの子供」
超現実的窃視者の詩学。
13清岡卓行「石膏」
「きみに肉体があるとはふしぎだ」の一行があるだけですが。
14藤富保男「正確な曖昧」
「もえる女」をめぐって。
15大岡信「丘のうなじ」
愛すなわちポエジーです。
16谷川俊太郎「数える」「なんでもおまんこ」
とりあえずわかりやすいが、個人的には『コカコーラレッスン』所収の「(交合)」も好きです。
17白石かずこ「男根」
ご存じコズミックな男根。
18鈴木志郎康「壁の中」
プアプア世界の雛型。
19岡田隆彦「史乃命」
戦後恋愛詩の極めつけです。あこがれました。
20川田絢音「グエル公園」
レイプ願望のせつなさ、美しさ。
21ねじめ正一「ヤマサ醤油」
食卓の上の魔羅。
22荒川洋治「オリエントの道」
韜晦のエロティシズム。
23井坂洋子「朝礼」
修辞的に掬い取られた思春期、それでもみずみずしいのはさすがですね。
24伊藤比呂美「とてもたのしいこと」「きっと便器なんだろう」
キメはやはり、これでしょう。
25小池昌代「Penis from Heaven」
「恩寵」としてのペニス。
ざっとこんなところですが、もっともっとあるでしょう。知っている人はご教示ください。ちなみに私の作品から選ぶとすると、「隠喩の学」(詩集『Zolo』所収)。女陰についての詩的考察です。